私は私。あなたはあなた。

 2021年8月2日号
リライフアカデミー講師・精神保健福祉士 田中先生


  
こんにちは。リライフアカデミーの田中です。
今日は、ゲシュタルト療法の創始者、フレデリック・パールズによる「ゲシュタルトの祈り 」と言う詩を紹介したいと思います。


私は私のために生きる。
あなたはあなたのために生きる。 
 
私は何もあなたの期待に応えるために、
この世に生きているわけじゃない。 

そして、
あなたも私の期待に応えるために、
この世にいるわけじゃない。

私は私。
あなたはあなた。 

でも、
偶然が私たちを出会わせるなら、
それは素敵なことだ。 


たとえ出会えなくても、
それもまた同じように素晴らしいことだ。 


*参考まで、原文はドイツ語で、訳のニュアンスが異なるものなど様々あるようです。


私がこの詩に出会ったのはかれこれ20年以上前になるでしょうか。
当時の私は、ずいぶん突き放した物言いだなぁと感じて、このような人間関係の距離感もあるのだと頭では理解できても、実際の対人関係に落とし込めたのはまだもう少し後の話となりました。

他者との境界線が曖昧で苦しさを感じた時、この詩の一節「私は私。あなたはあなた。」を思い出し意識することで(声に出して呟いてみるのも効果的です)、自分という存在の輪郭がはっきり感じられ、「大丈夫、これでいい」と思えてくるような気がします。

誰かのために頑張れる、そう言う場面ももちろんあるでしょう。
でも、お互いを尊重する関係性が続いていくためには、結局のところクリニックで言われる「今・ここ・自分」に繋がっていくという事が大切なのかもしれませんね。

リライフ講師・スタッフ 田中

 
 
ご感想ありがとうございます。以下にご紹介します。
*頂いた感想全てを掲載できないことをご了承ください。
 

 
田中先生の紹介された詩、素晴らしい言葉ですね。
個人としての自分を確立することに専念して、人のことを構っていられないぐらいになれるといいですよね
いい人になることの脱却は気をつけないとすぐ戻りそうになります。
人の目の評価のいい人には何の喜びもない。
我が命がが喜び、踊り出す生き方をしたいと思います。
 


 
8月2日号の田中先生の言葉、子離れをするときを迎えたわたしに響きました。
小さかった我が子ももうちゃんとした自分の意思を持って自分の道を歩きだしています。
親子だからこそ適度な距離を保ちながらお互いを尊重していくべきものだなぁと、感じています。ストライクな言葉、ありがとうございました。