自分らしく生きるって、ぶっちゃけどういうこと?
 

 

2021年11月1日号
 
NZの心理療法家 白井聖子先生


 

 
オボクリニックの読者の皆さま、はじめまして♪
わたしは、「世界のどこにいても、誰といても、自分らしく」をモットーに活動する、ニュージーランドの心理療法家、白井聖子と申します。
 
 

こんにちは〜
ニュージーランドの心理療法家Seikoです。

わたしたちは誰もが、自分らしく生きたいと願っていますよね。その一方で、「自分らしさ」が分からず、悩んでいる方は多いです。

こんなわたしもNZに来て以来、言葉や文化の壁にぶち当たり、自分らしさがどんどん分からなくなっていきました。

「どうしたら、世界のどこにいても、誰といても、自分らしく充実した人生を生きることができるのか?」〜長い間心の奥にあった、この疑問を解決したいと思い、大学院の研究論文で、セルフコンパッションの実践について研究したんですね。

ニュージーランド、アメリカ、イギリス、日本から、経験豊富な心理療法家5人にインタビュー。日本からは、於保先生ご夫妻にお願いしました。

以前、一時帰国の際に、於保先生のセミナーに参加して、感動したからです。お二人は日々の激務にも関わらず快諾してくださり、心から感謝しています。

於保先生ご夫妻とのインタビューで、「自分らしく生きること」について、わたしは大きなヒントを得たんです!

目からウロコだったのが、真理子先生の言葉でした。

真理子先生:「本当のいやしというのは、子どもの自分が、おてんば娘、わんぱく坊主になることなのよ」

Seiko:「そうなるためには、具体的には、何することが必要なんでしょうか?」

真理子先生:「だだをこねる!」

意味がまったく分からないわたしに(笑)、真理子先生は手をバタバタさせて、大きな声でだだをこねる様子を実演し始めました。

「やだやだ〜!あんな理不尽な人は嫌いだ〜!」「イヤと思っていいんだよ〜!」

真理子先生の迫真の演技で、腑に落ちたんです。「自分のありのまま思いを発する」ことを、自分に許可することが、いやしにつながっていくのか・・・

とは言え「だだをこねる」と聞いた時、「えー、大人がそんなことしちゃヤバくない?」と、正直思いました(笑) 

でも本当にヤバいのは、自分で自分の本心をしずめてしまう、無意識の抑制です。それがクセになり、長年続くと、「本来の自分」がどんどん分からなくなっていく。

インタビューの中で、真理子先生は、自分への慈悲を、一言で言い表してくださいました。

「ほっぺを叩かれたら、誰だって痛いと思う。痛い時に、痛いと思うことが【慈悲】なのよ」

心に刺さりました。自分らしく生きることは、【自分の本心を生きる】ことなんだ・・・

ですから、自分がよく分からなかったり、自分の思いを我慢するクセのある人は、

どんな思いも存在していい◎

と、許可するところから始めるといいかもしれません^^

常に自分発!それが、セルフコンパッションです。


では、内なる子どもは、いったいどんな姿なのか?なぜそれほどまでに大切なのでしょうか?

真理子先生は、子どものイメージとしては、他人の反応など一切気にしない2~3歳の子どもだといいます。

「そんな部分を全開にするのは、気が引けるなぁ〜」と内心思いながら、インタビューを進めていました。 

↑↑
わたしも所詮、日本人(笑)

真理子先生の衝撃の言葉は続きます。

「内なる子どもの自分が、仏さま神さまに近い存在なんです」

えっ、意味が分からない! 

とても信じがたい…(笑)

興味が湧いてきたので、様々な文献を読み進めていきました。

すると、驚いたことに、分析心理学のカール・ユング(Carl Jung)や、有名な精神分析家のネビル・シミングトン(Neville Symington)が、本音の部分を、”Divine Child” “Divine nature”という表現をしているではありませんか!

Divineというのは、「神のような」という意味です。

有名な心理療法家たちも、内なる子どもの部分に、神聖さを見ていたんですね。

さらに思索を深めていったある時、その意味が忽然と分かったんです。

自分の本心を押し殺すことは、自分を粗末に扱っていることと同じ。どんな自分も存在させてあげることが、自分自身を神さまや仏さまと同じように、大切に扱うということなんだと。

2~3歳の子どもは、怒りたい時には、泣き叫ぶ。怖い時には、おびえる。嬉しいときには、屈託なく笑う。何1つ制限することなく、自分を表現します。これが「本来の自分を大切にする」姿なんですね。

あなたはいかがでしょうか?あなたの本音・感情のインナーチャイルドは、のびのびしていますか?

セルフコンパッションは、インナーチャイルドの存在に気づくことから始まります。やさしい意識を自分に向けて、インナーチャイルドに話しかけてみてくださいね^^ 


NZの心理療法家Seiko Shirai