自立とは自分も他人も自由になること

2021年12月6日号
オボクリニックカウンセラー 於保香峰子先生


 
例えばあなたがAさんと出かけたとしましょう。
その時、本当は見たいお店があったり、行きたい場所があったり、休憩したかったりするのに、Aさんに付き合ってあげないと可哀想だとか、Aさんが嫌な気持ちになるのではとついついAさんを中心にして引っ張られてしまうことがよくあります。

しかし、誰もがそうであるように、Aさんは本来、どんな状況でも自分で自分の幸せを創り上げることができる存在です。またAさんの幸せを確立するのはAさん自身の責任なのです。それができるようになることがAさんにとっての自立であると言えます。

それなのに、あなたがAさんの幸せや機嫌について自分にも責任がある思ってしまうと、Aさんに合わせる義務がある、そうしないとAさんが可哀想だ、Aさんが不幸になるのではと考えてしまい、結局は自分を生きるのではなくAさんに合わせてしまうのです。

もしAさんが、あなたが合わせてあげないことで不安になったり傷ついたり嫌な思いをするとしても、それはあなたの責任ではありません。Aさんは自分で自分を幸せにできるし、それをあなたに背負わせるのであればAさんは自立してないということです。

さらに言えば、そんなAさんに合わせてしまうのは、Aさんが自立しない状態のままでいられるように手伝ってしまっていることになるのです。これを共依存といいます。
 
相手の顔色や機嫌、傷ついた様子や疲れた様子なんてどうでもいいことです。それは相手自身が自分で受け止めて解決すべきことだからです。あなたがそこを中心にしてしまうと、いつも他人が主役の人生になってしまいます。

相手の機嫌や顔色を見た時、それを見て悲しくなったり傷つくのであれば、その悲しんでいる自分、傷付いている自分の気持ちだけが自分の責任であり、そこを慈しんであげることだけが自分の責任です。相手ではなく自分の顔色や、自分の機嫌、自分の疲れた様子のみに責任があります。
 
例えば互いに意見が違ったのなら「じゃあ後でどこどこで待ち合わせようね」とさっぱりと別行動すればよいのです。相手にいやいや付き合うのも、嫌がっている相手を付き合わせるのも依存です。
 
このように自分は自分の幸せや機嫌に責任があるし、相手には相手の幸せや機嫌に責任があるのだと分かると、自分自身が自由になれるだけでなく、相手や周りの人のことも、とても頼もしく強い存在だと根底で思えるようになります。すると人間関係がストレスフルなものではなく、自由で楽しいものになっていくのです。
 

於保香峰子
 

 
ご感想ありがとうございます。以下にご紹介します。
*頂いた感想全てを掲載できないことをご了承ください。
 

 
子育てで悩みここにたどり着きました。ここにこれてラッキーでした。小学生のこどもが勉強しません。でもやらせなくちゃいけないような気がして、冷たい先生になって、ガミガミいってしまいました。自分の中のこどもの自分も嫌で泣いています。息子だってきっと悲しかったはず、誰もハッピーになってませんね。。゚(゚´Д`゚)゚。
勉強しなくちゃいけないことは分かっているはず、でできない?やりたくない?理由があるんですよね。
とにかく無理強いはよくないということがよくわかりました。
温かくなるような声かけみつけられたらいいなぁ。
 


 
以前人間関係で悩んだことがあるので、良くわかりました。悩んでいる時は、相手の人が主で、自分は、ナシの状態が続き、疲れきってしまい、距離を置くことにしました。そうしてみたら、どれだけ自分を殺して、相手に合わせていたかがわかりました。
香峯子先生のメールマガジンを読んで、相手の為にも、自分の為にも、自分の気持ちを主人にしていくことが、大事なのだと、改めてつくづく思いました。
 


 
娘が、強迫性障害になり、友人に読ませて頂きました 私の関わりが良くなくてこのような病になったのかと思う中
冷たい思考を、押し付けてなかったかと反省しました 全部ではありませんが、人に迷惑をかけては、いけないは、言っていたと思います 今は娘の感覚に、寄り添っていますが、知らず知らずに押し付けないか考えて行きたいと感じました

受診は、していませんが、メールを頂くことは、できますでしょうか
宜しくお願い致します

 


 
仕事の人間関係に悩んだ時、先生のお話を思い浮かべて、自分を大事に、そして他人との良い関係を築きたいと思います.。