
自然治癒力
昨日受診されたパーキンソン病を持っている患者さんの話です。
来られた時はパーキンソン病特有の、小刻み歩きで、カートを引きずりながらヨタヨタと入室されました。
話の中で、"自分は今まで周りの嫌な人達のことを嫌と思ってはいけない。
その人達の幸せを、願わなければいけないと思っていました。周りに合わせて我慢しなければいけない、憎んではいけない、と思いながら生きてきた"というのです。
私が、その人達のことを、心の中で"この馬鹿野郎!ふざけるな!"と感情を抑えず、ボコボコにしてやると思って良いのですよ!といってもなかなか納得しません。
しかし、その我慢が今の体調の悪さの原因になっているということを説明するうちに、その方は、「これまで言ってはいけない、と思っていましたが、心の底からその人達に向かって馬鹿野郎という気持ちになってきました。馬鹿野郎、と思ってもいいのですね。なんかスッキリしました」というのです。
表情もすっかり明るくなりました。帰るときにはカートを抱えてさっさと歩いて、パーキンソン病特有の歩行が改善していたのです。
心と身体がいかに深く関わっているか改めて実感しました。
現代医学は戦争や事故による負傷の治療や、感染症の治療から始まりました。ですから、対症療法の医学です。
したがって、急性疾患には大きな力を発揮します。
しかし、慢性疾患はその原因を取り除くのが困難なことが多く、根本的に直すことが難しいのが現状です。
しかし、私たちは本来『自然治癒力』という根本的に直す力を持っています。
紀元前5世紀のギリシャの時代の“医聖”とも“医学の父”ともいわれ、尊敬されてきたヒポクラテスの25項目の格言があります。その中で3回も直接自然治癒力に言及しています。
・人間は誰でも体の中に百人の名医を持っている
・私たちの内にある自然治癒力こそ真に病を治すものである
・病気は人間が自らの力をもって自然に治すものであり医者はこれを手助けするものである
これからの時代、医学は、いよいよ根本的に人間の健康を促進するために、この自然治癒力を研究する時代に入っていくと思います。
オボクリニックで行っている自分関係に基づく根本療法は自然治癒力を引き出す大きな力になると実感しています。
3月のオンラインセミナーは、この自然治癒力を増す方法を、自分関係を通じて様々な角度からお話しします。楽しみにしてください。