
Awe体験
みなさんはAwe体験という話を聞いたことがあるでしょうか?
文字通り、Awe(Oh)! という驚きの体験、とりわけ、畏敬の念、畏怖の念を抱くような体験のことです。
果てしなく広がる空を見上げたとき、「この広大な宇宙に比べたら自分はなんてちっぽけな存在なのだろう」と思ったことはありませんか?
あるいは、富士山の堂々とした姿を仰いだとき、感動しておもわず “すごい” と息をのんだ体験はないでしょうか?
このような、大自然や大宇宙の悠久さや広大さを前に、心がうごく体験を、脳科学ではAwe(オウ)体験といいます。
広大な大自然や大宇宙の悠久さを体験することは、単に心が洗われるとか、気分転換になるというだけでなく、具体的に心身ともに良い影響があるということが様々な研究からわかってきています。
たとえば、カナダ・トロント大学のステラー博士らの研究では、Awe体験を頻繁にしている人はインターロイキン6の濃度が低く保たれているという結果が出ています。
インターロイキン6は、慢性関節リウマチなどの病気で、身体に慢性的な炎症が起きているときに出ます。このような慢性的な炎症は人の寿命を縮めます。
すなわち、Awe体験によって、インターロイキン6が下がっているということは身体とって非常に良い状態でその結果、寿命を延ばすことにつながるのです。
さらに、Awe体験をしているとき、人の脳はとても活性化しているということが多くの研究から明らかになってきています。
アメリカのジョン・テンプルトン財団の研究によれば、Awe体験をしている人は、見破る力、騙されない思考力を持つようになるのだそうです。
Awe体験をしていないと、情熱のある人の話やおもしろい話には弱く、議論でも説得されやすくなります。たとえそれが詐欺師だったとしても、ものすごく情熱的に話されると信じてしまいます。
それに対してAwe体験をしている人は、見破る力があるのだそうです。
Awe体験はこのように、広大な自然や大宇宙の悠久さにふれるときにできる体験なのですが、実は、診療の中で、Awe体験を体験される方が少なからずいらっしゃいます。
自分関係を深める中で、本来の自分と出会い、奥深くから感情が湧き出てくる、思わず、涙が止まらなくなるという体験はまさにAwe体験そのものと思います。
こんなとき、おそらく体は免疫力が活性化し、自然治癒力も最大に働き出しているなと実感します。
Awe体験が明らかにしてきていることは、本来の自分自身と出会う体験は、人間が元々持っている能力を開花させ、自然治癒力を実際に活性化させると、治療を通して実感しています。
今月31土曜日のオンラインセミナーでは、この Awe体験が、どのように実際に具体的に心と体に蘇生させる力を与えるか、いろいろな角度から楽しくお話ししたいと思います。
楽しみにお待ちください。