空高く泳ぐ鯉のぼり
 

怖れとの和解

 


2024年4月29日号
於保光子 先生

私は昔、
海が怖くて怖くて仕方がありませんでした。

私は、泳ぐことも昔から苦手で、
足がつかないところに
入ることさえ、怖かったのを覚えています。

けれど、数年前、
「今」「直感」「肚の感覚」を信じて生ききる練習を、とにかく実践していたとき、
ある大きな滝に行きました。

その時、わたしの「今」「肚の感覚」が
滝に入りたい!と言ったのです。
信頼して!大丈夫!と。

そうして、その声に従って
滝に入ってみました。
死ぬかも、という恐怖と
大丈夫、という信頼の感覚を
秒単位で、行き来しながら
滝つぼに浮かんみたのです。

あれはまさしく
前々回のセミナートピックで
伸一先生と哲外先生が言っていた、
Awe体験でした。
その時の空と、滝の水しぶき、太陽の光の美しさの感動を、今でも鮮明に覚えています。

本当に、どんなに怖くても
自分の「今」を、自分自身の感覚を、
信頼して飛び込んで大丈夫なのだと、
宇宙から教えてくれているようでした。

数ヶ月後、私は海へ訪れました。
滝へ入った体験から、
だいぶ水への恐れは薄れていたのですが、

海に対しては、得体のしれない、
また違った恐怖感がありました。

怖い。入りたい。でも、、、
そうやって、ずっと海を眺めていたのですが、
眺めているうちに、
海へ入りたい、という好奇心とワクワクが、
恐れを超える瞬間がきたのです。

そして私は海へと飛び込みました。

滝つぼと同じように
恐れと信頼の感覚を秒単位で行き来しながら
思い切って、海に身を委ねて浮かんでみると
その時も、あまりの空の大きさと美しさに
大きく感動したのを、覚えています。

波も少し大きくて、はじめは怖かったのですが
だんだんと慣れていく内に、
波に流され呑まれることさえも、
海がじゃれてくれているように感じて、
楽しめるようになっていきました。

海は私と全く分離した
得体のしれない場所ではなく
私の一部であり
信頼して、委ねてみても、大丈夫なんだということを感じられました。

そしてこれはきっと、
人生でも同じことだと思うのです。
どんなに大きく恐ろしく思えても
人生はあなたの一部分にすぎない。
だからきっともっと、
信頼して、委ねてみても、大丈夫なのだと。

自分の感覚も、
自分自身のことも、
自分の人生そのものも。

そしてその一年後、
信じがたいことに
何十メートルもある沖の海へ、
1人で浜から泳ぎにいったり出来るくらいまでになりました。

数年前の私にとっては、想像できない、絶対に無理だと思っていたことが、出来るようになったのです。

だから、きっと
今、どんなに無理だと諦めていることも
私たちには叶えられる力があるのです。

そう信じて、
今週も自分を褒め称えながら
生きると、共に決めて行きましょう!

ありがとうございました。

於保光子